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中絶手術を行う際、どんなリスクが生じるのか不安を抱えている人も多いでしょう。ここでは中絶手術を行うにあたってのリスクについて紹介していきます。
中絶手術を行う際、一番怖いことが死亡リスクでしょう。日本では安全性に配慮した環境で中絶手術を行うため、死亡率は世界的にも低く10万件に1件程度と言われています。そのため中絶手術を行っているクリニックであれば、死亡するリスクは非常に低いと言えるでしょう。
中絶手術は子宮の中を目視しながら行う手術ではないため、どうしても組織の一部が取り残されてしまうことがあり、これを「繊毛遺残」と呼びます。子宮奇形や変形、圧迫などの症状を起こしている場合にリスクが高まると言われており、経験豊富な医師であっても完全にリスクをゼロにすることは難しいでしょう。
リスクを少しでも抑えるため、一般的には術後に内診を行い遺残がないか確認しています。また手術時も慎重に繊毛の取り残しがないかチェックしてくれるでしょう。
ほとんどの病院が感染症対策に力を入れており、清潔に保たれた手術室で殺菌消毒を行った術器具を用いるため、日本国内で行う中絶手術で感染症を引き起こすことは稀です。ただし、クラミジア感染症などがある場合、中絶手術によって骨盤腹膜炎などを発症するケースがあります。そのため手術前におりものの検査を行い、クラミジア感染症の有無を調べるのが一般的でしょう。万が一、陽性の場合は抗生剤を投与し、感染症のリスク軽減を図ります。
感染症を起こすと発熱や子宮の痛みなどの症状を呈し、白血球の急激な上昇もみられるため、感染症の疑いがある場合には医師の指示のもと抗生剤投与などの処置が行われるでしょう。
中絶手術を行う際、子宮頚管を拡張した状態で行われます。しかし急に子宮頚管を拡張したり、鉗子などの器具の乱雑な扱いなどで、子宮頚管の損傷が引き起こされることも。手術直後には異変を感じなくても、次回妊娠時に子宮頚管無力症を引き起こす可能性もあり、合併症の中でも注意が必要なリスクです。
WHOや日本産婦人科医会ではリスクを下げるために事前処置を推奨しており、ほとんどの病院では事前処置が行われています。事前処置とは手術を行う数時間前にラミセルと呼ばれるスポンジ状のものを入れ、ラミセルが徐々に水分を吸収。時間をかけて子宮頚管を拡張するため、痛みもほとんど起こりにくい処置です。ただ痛みが気になる場合には痛み止めを処方してくれるクリニックもあるため、痛みに敏感な方は相談してみてください。
少量の出血であれば手術後にみられる症状なので、過度に気にする必要はありません。ただ大量出血の場合は子宮頚管の損傷や血液凝固障害、子宮穿孔などによって起こることがありますが、開腹手術などを行うほどの重篤なケースは滅多にないでしょう。
子宮に穴が開く状態で、中絶手術による発生はほとんどありません。
中絶手術を行った後、生理痛のような痛みが起こることがあります。この傷みは子宮が元の状態に戻ろうとしている痛みであり、1週間ほどで収まることがほとんどです。退院時には痛み止めなどを処方してくれるため、痛みを無理に我慢する必要はありません。ただ麻酔から覚めたあとに強い痛みがある場合には、痛み止めの点滴などを行ってくれるため相談してみましょう。
出血量に関しては個人差が激しく、一般的に1週間から10日間ほど生理時のような出血が起こります。出血が多いケースでも数日経過すれば、ほとんど出血は収まってくるでしょう。ただ人によっては2週間ほど出血交じりのおりものが出たということも。あまりにも出血量が多く、長期間続く場合には一度診てもらってください。
中期の中絶手術は麻酔下で行うため、麻酔が効き過ぎたなどのケースで気持ち悪さやボーとする、眩暈、頭痛などの症状が現れることがあります。麻酔から目覚めたあとも休息することで症状は緩和するでしょう。酷い方でも翌朝には収まっています。
手術後すぐは、ふらつきなどの症状が出やすいため、一人で無理にトイレに行くなどの行為は控えた方が無難です。また当日の運転もしないようにしてください。できれば付き添いの方と一緒に帰宅したほうが、ふらついた際も安心でしょう。
麻酔の副作用によって、人によっては吐き気や嘔吐などの症状がでることもあります。麻酔の効きが良い方に現れやすいようです。多くの場合、30分程度で治まりますが、吐き気があるときは飲食を控え、吐き気が収まってから少しずつ口に入れるようにしましょう。
ほとんど起こることはありませんが、手術後少しの間は何を話したか覚えていないなどの症状をきたすことがあります。30分程度で症状はなくなるため、この症状が現れても過度に不安に思う必要はないでしょう。
中絶手術を行う際に過度なストレスを感じてしまい、PTSDを発症するケースがあります。中絶後遺症候群とも呼ばれており、精神的に不安定な状態が続いてしまうことも。症状が進行すれば、うつ病になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
一人で悩まずに専門家などのカウンセリングを受けるようにしましょう。少しでも症状を自覚したら、早めに受診することが大切です。
どんな手術であってもリスクがゼロになることはありません。しかしリスクを少しでも抑えるためには、感染対策を万全に行い、経験豊富な産婦人科医のいるクリニックで手術を受けることが大切です。また不安なことを何でも相談できる医師であれば、リスクだけでなく手術のことについて丁寧に説明してくれるでしょう。まずは信頼できるクリニックを探し、早めに中絶手術の相談を行うようにしてくださいね。どうしても中絶するタイミングが遅くなってしまえば、リスクも高まり、手術が行える病院探しも難しくなってしまいます。中絶するか悩んでいるとしても、できるだけ早いタイミングで受診しましょう。
横浜市内の中絶手術の相談がしやすい病院として2院紹介します。妊娠初期だけでなく中期まで対応していて、24時間電話で診察の予約ができる産婦人科です。
引用元:聖マリアクリニックHP
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