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どんな医薬品にも必ず副作用があり、これは中絶薬も例外ではありません。中絶薬は手術よりも費用が安く手軽なイメージがありますが、服用することで重篤な副作用を招くことがあるでしょう。
ここでは、中絶薬の副作用やリスクなどを紹介しています。
中絶薬とは、一般的に妊娠後49日以内に服用することで、流産させる効果のある薬です。1980年代にフランスで作られた薬で、「ミフェプリストン」や「RU486」と呼ばれています。 この薬を妊娠初期に経口摂取することで、妊娠状態を維持する黄体ホルモンが抑制され、妊娠を強制的に終了させるという仕組みです。また、この薬と一緒に子宮収縮剤を服用すれば、自然流産のようなかたちで中絶することになるでしょう。
薬の効果は90%以上と非常に高いものの、日本では使用が承認されておらず、使用が承認されている外国でも、医師の診察や処方を受ける必要があります。また、国内で個人的に入手・使用するのは違法行為となるため、いくら便利な薬だといっても使用はできません。
中絶薬の失敗率は5%~8%と低く、一見するとスムーズな中絶であるように思えます。しかし、中絶薬の失敗は単に「妊娠状態を終了できなかった」というものではなく、膣からの大量出血などのリスクが伴うのです。
また、異所性妊娠の場合には卵管破裂などの危険性がありますし、副作用が起きて救急搬送されても症状によっては最適な処置ができない可能性があります。人工妊娠中絶手術と比較して、中絶薬はリーズナブルかつ簡単に入手できるので、購入を考えている人もいるでしょう。しかし、服用したからといって簡単に中絶ができると考えてはいけません。
中絶薬の服用により、膣から大量の出血が起こる場合があるでしょう。もちろん、中絶には子宮の中のものや血栓などが含まれる出血があり、中には大量出血によって意識を失ったり命を落とすこともあります。また、出血時に痛みを伴うこともあるでしょう。中絶時の痛みは月経よりも強く、それに伴って吐き気やづ通、めまいなどのさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
中絶薬の服用後に、ほてりや発熱を生じることもあります。中絶薬を服用した直後から38度以上の発熱が起きることが多く、通常は24時間以内には平熱に戻るでしょう。万が一発熱が24時間以上続く場合は、医師による診断・処置が必要です。
薬に含まれる成分によって、かゆみや蕁麻疹などのアレルギー反応が起きる人もいます。症状は軽いものから重いものまでさまざまで、軽い場合は口周りにかゆみや水ぶくれ、痛みなどが現れます。このように軽度の症状は、中絶薬を服用してからしばらくすると自然に治まるでしょう。
中程度のアレルギーの場合は、手や足のヒリヒリ感や鼻づまり、目の腫れや肌への湿疹などが起こります。まれに重篤な症状を引き起こす場合もあるため、このような症状があった人は中絶薬を服用してはいけません。
また、重いアレルギー反応では、めまいや顔面の腫れ、呼吸困難や意識を失うなどの症状が発生します。命を落とす危険性もあるので、ただちに医師へ相談しましょう。
フランスやアメリカでは使用が認められている中絶薬ですが、日本では使用が認可させていません。そのため、個人向けの販売はしておらず、一般には入手できないのが現状です。とはいえ、海外にて入手した中絶薬を日本へ持ち帰ったり、外国人が日本へ持ち込むなど、非正規な方法で販売されているものもあります。また、海外のネット通販から個人輸入している人もいるようです。
しかし、日本国内において中絶薬を販売したり使用するのは違法行為のため、注意しなければなりません。過去には、個人で中絶薬を使用した人が罪に問われた事例もあります。母体保護法指定医の資格を有していない人が中絶手術などを行うと、堕胎罪という罪に問われるでしょう。妊娠している本人が自ら中絶した場合も例外ではないため、国内で承認されていない薬を使用してはいけません。そのため、やむを得ず中絶を検討している場合は、クリニックで相談しましょう。
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