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中絶手術を行う際、多くの方が心配されることの一つに合併症があるかと思います。ここのページでは、考えられる合併症について触れているので、この内容が心構えなどの一助になると幸いです。
日本だと中絶手術を行うための医療環境が整備されているため、中絶手術で合併症が起こるケースは稀です。また万が一、合併症が起こったとしても重篤になるケースは1%未満と言われており、可能性としては低いと言えるでしょう。しかし、中絶は妊娠周期が長くなればなるほど、手術が難しくなり、身体への負担も重くなるもの。合併症のリスクを抑えるためにも、専門医への早めの相談が大切になってきます。
全身麻酔や静脈麻酔を使った手術の場合、麻酔による副作用から吐き気や嘔吐を感じるケースがあります。全く感じない人も多く、個人差が大きいようです。
吐き気や嘔吐が起きたとしても、時間が経てば徐々に症状は改善するもの。ですが、あまりにも症状が酷い場合には、内服薬を処方してもらえるので担当医に相談しましょう。
また、医師の指示に従わず、手術前に飲食を行うと手術中におう吐してしまい、気管や肺に詰まってしまう危険性があります。少しでもリスクを減らすためにも、手術前は決められた時間以外の飲食は避けてください。
手術で用いる薬剤によってアレルギー反応を起こすことも稀にあります。その際はアレルギーの原因となる薬剤を中止し、抗アレルギー薬を活用することで症状は改善に向かうでしょう。身体に異変を感じた際には、医師への相談を忘れずに行いましょう。
中絶手術において感染症を引き起こすことは稀です。ただし、手術を受ける前からクラミジアや尖圭コンジローマなどの感染があると、中絶手術によって他の感染症を引き起こすリスクを高めてしまいます。そのため、中絶手術を行う前に、性感染症の検査を行うと良いでしょう。
妊娠周期が長くなればなるほど、子宮も大きくなり、稀に子宮の壁に穴が開く子宮穿孔が起こることがあります。そのため、穴が開いてしまうリスクが高い場合は、エコーガイドをはじめとした機器を利用しながら、手術が行われることがあります。
子宮穿孔が生じた際に、腹腔内で細菌による感染を引き起こし炎症症状が起こることがあります。手術時と手術後に抗生剤を処方することで、腹膜炎の予防に繋がるでしょう。
エコーガイド下での手術や抗生剤の投与などの対策を行っているため、近年ではほとんど見られない合併症です。子宮内膜が何らかの要因で傷つき、癒着することで起こるものです。無月経や不妊症になる可能性があり、受精卵が着床しにくくなるケースも。子宮卵管造影検査や子宮鏡などで診断される場合が多く、治療は主に子宮鏡で行われます。
胎児や胎盤、卵膜の一部が子宮に残ってしまう合併症で、感染症や不正出血の原因になります。そのため術中だけでなく、術後の検診でも絨毛膜や胎盤遺恨がないかどうかの確認が重要とされています。
子宮が妊娠前の状態に戻ることが遅れてしまう合併症です。子宮内に胎盤や卵膜の一部が残ってしまっている場合、子宮の働きが悪くなっている場合など、様々な要因から子宮の収縮が正常に行われなくなった状態のことです。
妊娠初期の中絶手術で起こることはほとんどなく、妊娠中期の中絶手術後に起こる可能性が高いです。遺残物の除去や子宮のマッサージ、子宮収縮を促す薬剤の投与などの対処を適切に行うことで、症状が改善されることがあります。
中絶手術を行ったあとに出血や生理痛のような痛み、微熱が続くことがあります。基本的に徐々に症状は改善していくので、経過観察するケースがほとんどでしょう。ただし痛みが強くなる、熱が高くなるなどの症状があれば感染症の可能性も考えられます。長く続く場合には必ず担当医に相談するようにしましょう。
中絶後遺症候群は、中絶手術による極度なストレスが原因で発症した心的外傷後ストレス障害(PTSD)の一種です。主な症状は過剰反応、抑圧、侵害行為などがあり、症状には個人差があります。また、中絶手術後の精神的な症状が多い傾向にあるようです。
そのため精神的負担を減らすためにも、中絶手術の前後はパートナーや家族などに精神的サポートをしてもらうことが大切です。もし誰にも相談できない場合には、術後の精神的ケアも行ってくれるクリニックを選ぶようにしましょう。
麻酔を打った後に最近のできごとを忘れてしまう症状のことです。逆行性健忘が起こる確率は低く、中絶手術中のことや手術後の会話などの記憶がなくなることがあります。ほとんどのケースが30分程度で解消します。逆行性健忘はごく稀にしか起こらない症状なので、必要以上に怖がらないことが大切。不安が強すぎたり、精神的に不安定だと症状が出やすくなるなるので注意が必要です。
中絶手術と不妊症を結び付いているイメージを持っている方は少なくないかと思います。ですが、結論から言えば、中絶手術で不妊症になることはほとんどありません。実際に不妊症になるケースとして、アッシャーマン症候群が考えられるでしょう。しかし中絶手術によってアッシャーマン症候群が起こるケースは極めて稀です。また予防法も確立されており、安全面に配慮した上で手術を行います。そのため中絶手術による後遺症で不妊になる可能性は、ゼロではありませんが極めて少ないと言えるでしょう。
望まない妊娠に気付いたら、早めに医師に相談することが大切。なぜなら中絶手術ができる期間は法律により妊娠22週未満までと決められているためです。また妊娠がすすむにつれて手術が難しく、母体への負担も大きくなっていくでしょう。
衛生面に配慮したクリニック・産婦人科において母体保護法指定医による中絶手術を行えば、手術による合併症が起こるケースは稀です。また万が一合併症が起きたとしても、医師の指示に従うことで適切な治療を受けられるでしょう。中絶は精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。そのためしっかりと専門医に相談し、適切な対応を行いましょう。
横浜市内の中絶手術の相談がしやすい病院として2院紹介します。妊娠初期だけでなく中期まで対応していて、24時間電話で診察の予約ができる産婦人科です。
24時間対応のWEB予約・電話予約(自動音声システム)があるので、好きなタイミングで人と話すことなく予約が取れます。土日も19時まで診療を実施。
※最寄駅から徒歩5分未満の病院を「駅チカ」と表示しています。