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妊娠12~21週に行う中期中絶は、妊娠初期に行う中絶手術よりも身体的負担がかかります。また、妊娠初期とはリスクや手術方法が異なるため、しっかりと確認しておくのが重要です。
ここでは、中期中絶のリスクなどを紹介しているため、やむを得ず中絶を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
中期中絶は、妊娠12~21週の妊婦に行う中絶手術です。薬によって陣痛を誘発して分娩を行うため、初期中絶とは異なり入院が必要となります。また、妊娠12~13週と妊娠14~21週では手術方法が異なるため、費用も妊娠12~13週は21万円程度、妊娠14~21週は32万円程度という違いがあるでしょう。
また、役所への死産届の提出や火葬・納骨といった諸手続きも必要となり、手術費や入院費と合わせると非常に高額となります。
妊娠12~13週の中期中絶は、初期中絶とほとんど一緒です。まず、医師の診察や超音波検査によって胎児の大きさを測り、子宮口が開くようにラミナリアを4~5本挿入します。その後、静脈麻酔によって眠っている間に胎児・胎盤を取り出し、子宮内に残った物を吸引するという方法です。
14~21週の場合では、医師の診察や超音波検査による胎児の大きさを測定したうえで、陣痛促進による処置できるかを判断します。超音波検査にて胎盤が子宮口を塞ぐ位置にある場合は、処置を行うことができません。
手術の内容としては、まず数本のラミナリアを挿入し、数時間かけて徐々に子宮口を開いていきます。翌日ラミナリアを抜去し、膣内へ陣痛促進薬を定期的に挿入。入院より数日以内に分娩となることがほとんどで、分娩後は胎盤の一部が子宮内に残るので、子宮内容除去手術を行います。
子宮内感染は、子宮内膜に細菌が入り込んで炎症を起こす合併症です。中期中絶手術の後は体力に加えて抵抗力や免疫力が低下するため、子宮内感染には注意しなければなりません。
予防策としては、清潔な状態で施術を行うことをはじめ、手術中の抗生物質の投与や術後の内服薬の服用などが挙げられます。
妊娠して胎児が成長すると、それに比例して子宮もどんどん大きくなります。子宮の筋層も一緒に伸ばされて薄くなるので、中絶手術の際に使用する器具が何度も子宮内を擦ることで子宮穿孔を起こす可能性があるでしょう。
もちろん、手術中は子宮穿孔を使って子宮内を可視化していますが、絶対に安全な手術は存在しないので注意が必要です。
子宮穿孔が起きた場合に、腹腔内に細菌が入って腹膜炎を生じることがあります。子宮穿孔が生じてすぐに対処していれば腹膜炎まで発展することはまずあり得ませんが、身体力や免疫力が著しく低下している場合は、腹膜炎を起こすリスクが高くなるでしょう。
予防策としては、超音波ガイドを使って手術中に穿孔をつくらないことや抗生物質の投与、術後検診などが挙げられます。
妊娠によって大きくなった子宮が、妊娠前の状態まで回復するのが遅れる現象を指します。初期中絶ではほとんど生じることがありませんが、中期中絶の手術後では子宮復古不全を生じることがあるでしょう。
また、子宮内の残遺が原因で子宮が大きくなったままのケースもあるため、この場合は子宮内容物の遺残の除去や子宮の冷却、子宮収縮剤の投与や子宮の輪状マッサージなどを行います。
中期中絶を受けたからといって、絶対に妊娠できない身体になるというわけではありません。手術には合併症などのリスクが伴いますが、適切な処置を行えば不妊症になる可能性は低いです。クリニックでも過度な掻爬術を行わない、子宮内膜の炎症に伴う子宮内腔癒着症を生じさせない、清潔な環境を保つことなどの注意を払っています。
また、術後検診によって回復状態を確認するなどの適切な診断を行っていれば、将来的に不妊などで悩む心配はありません。
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